【家族信託ブログ】シリーズ第2回「認知症になってから家族信託はできるか 契約の判断能力と相談のタイミング」
家族信託シリーズ第2回は、相談のタイミングについてです。
「母が認知症と診断されました。今から家族信託をしても間に合いますか」という疑問について、診断名と契約の判断能力を分けて考えてみましょう。

今回の結論
認知症という診断名だけで、家族信託ができるかどうかを一律に決めることはできません。重要なのは、本人が契約の内容や結果を理解し、自分の意思を示せるかです。必要な意思能力がない状態で行った契約は無効となります。
物忘れと契約の理解は同じではない
日付を忘れることがある、同じ話を繰り返す、といった様子だけで、ご家族が契約の可否を判断することは難しいものです。一方、普段の会話ができるからといって、複雑な信託契約を理解できるとも限りません。
誰に、どの財産を任せるのか。任せた人が何をできるようになるのか。自分の暮らしにどのような影響があるのか。その契約について本人が理解できるかを、具体的に確かめる必要があります。
本人の意思を家族が置き換えることはできない
「子ども全員が賛成している」「親のためになる契約だから」という理由だけで、本人の意思確認を省くことはできません。親の財産を託す契約ですので、親本人の意思を尊重することが前提です。
必要に応じて医師の診断や所見なども確認しますが、点数や診断書だけで機械的に決めるものではありません。面談の様子、契約の内容、本人の説明などを踏まえて検討します。

相談時に伝えていただきたいこと
専門家には、普段の生活で気になる具体的な様子を伝えてください。
- いつ頃から、どのような変化があるか
- 医療機関の受診や診断の状況
- 通帳や支払いを現在誰が管理しているか
- 本人が財産管理について何を希望しているか
- 売却や大きな支出を急ぐ事情があるか
本人の状態を良く見せようとする必要はありません。正確な情報が、適切な方法を選ぶために役立ちます。
家族信託が難しい場合の選択肢
本人の理解が難しい状態になっている場合には、法定後見制度などを検討します。家庭裁判所が選任した成年後見人等が、その権限に応じて本人を支援する仕組みです。
すでに有効な任意後見契約がある場合には、その契約の内容や開始手続きも確認します。家族信託を新たに作れないからといって、支援の方法がすべてなくなるわけではありません。

よくある質問
軽度の認知症なら必ず契約できますか
必ずできるとはいえません。診断の程度だけでなく、その信託契約の内容を本人が理解できるかが問題になります。
80歳を超えると家族信託はできませんか
年齢だけで判断するものではありません。本人の意思能力や希望、管理を担う家族の状況を確認します。
家族だけで先に相談してもよいですか
現状の整理や制度の説明を受けるための相談は可能です。ただし、契約を進める段階では、本人の意思確認が欠かせません。
まとめとご相談
家族信託を考える時期は、認知症の診断を待って決める必要はありません。実家や生活費の管理について心配が出てきた段階で、ご本人の希望を聞く機会をつくってみてください。
名古屋で親の判断能力や家族信託の開始時期についてお悩みの方は、家族信託相談プラザ名古屋へご相談ください。現在の状況から、検討できる方法を整理します。
次回は「家族信託と成年後見・任意後見の違い」です。
家族信託相談プラザ名古屋 電話 0120-303-067
相続・遺言・不動産登記についてのご相談
家族信託に加え、相続手続き・遺言・不動産登記についてのご相談は、司法書士こんどう事務所でも承っています。