家族信託×不動産_賃貸・売却・空き家問題を解決する
結論:不動産は、認知症で「売る・貸す・修繕する」が止まりやすい資産です。
家族信託なら、家族が判断・手続きを続けられる形に備えられます。
日本の個人資産の多くは不動産で構成されています。不動産は額が大きく、管理の手間もかかるだけに、認知症などで本人が動けなくなると深刻な問題が生じます。家族信託を使うことで、この問題を事前に解決することができます。
■ 1.不動産×認知症のリスク
親御さんが不動産(自宅・賃貸マンション・駐車場・田畑など)を所有している場合、認知症になると次のような問題が発生します。
- 賃貸物件の管理(修繕・入居者対応・更新契約)ができなくなる
- 老朽化した建物の建替え・大規模リノベーションが進められない
- 空き家になった実家の売却手続きができなくなる
- 不動産の担保設定・ローン借り換えができなくなる
⚠ これらはすべて、本人が意思能力を持っていることが必要な行為です。認知症後に成年後見を使っても、売却には家庭裁判所の許可が必要で、手続きにも2ヶ月~3か月かかるのが通常です。
■ 2.賃貸経営への家族信託活用

アパートや駐車場などの収益不動産を持つ方にとって、家族信託は「経営の継続性」を守る仕組みです。信託契約の中で「賃貸・管理する権限」を受託者に与えることで、親が認知症になっても受託者(子)が以下を継続できます。
✓ 入退去の手続き・賃貸借契約の更新・新規締結
✓ 修繕業者への発注・代金支払い
✓ 家賃収入の受取・管理・各種費用支払い
✓ 将来的な建て替え・増改築(信託契約に権限を明記した場合)
賃貸収入は信託専用口座に入り、受益者(親)の生活費・医療費・施設費などに充てることができます。
■ 3.空き家・実家の売却問題
親が老人ホームに入居した後、誰も住まなくなった実家の問題は全国的に深刻化しています。維持費・固定資産税の負担を考えると早期売却が望ましいのですが、認知症の場合はそれができません。家族信託でその不動産を受託者(子)に委ねておけば、親が施設に入居した後も子が売却手続きを進めることができます。
また、売却によって得られた代金は信託財産として受益者(親)のために管理・使用できます。「実家を売って施設費用に充てる」という一連の流れを、家族信託があればスムーズに実現できます。
■ 4.税務上の注意点
- 不動産を信託しても、受益者が委託者本人の場合は贈与税が発生しない
- 固定資産税は引き続き受益者(委託者本人)に課税される
- 不動産取得税は、自己信託・他益信託でないかぎり原則非課税
- 登録免許税は信託登記の際に発生する(固定資産評価額の0.3〜0.4%)
税務上の問題は個別の事情によって異なりますので、必ず税理士と連携して確認することが重要です。家族信託相談所では、税理士との連携によるワンストップサポートを提供しています。