二次相続・受益者連続信託_世代を超える財産承継を設計する
相続対策というと「今の相続(一次相続)」だけを考えがちですが、「次の相続(二次相続)」「その次(三次相続)」まで見通した設計が、家族信託の真骨頂です。受益者連続型信託という特別な仕組みを使うことで、複数世代にわたる財産の承継ルートを、法律的に確定させることができます。

■ 1.二次相続問題とは?
たとえば父親が先に亡くなり、その財産が母親に相続された(一次相続)後、母親も亡くなった場合(二次相続)に、誰にどう財産が渡るか?これが二次相続問題です。
一次相続の時点では「全部母親に」とまとめると配偶者控除で相続税が軽減されますが、二次相続では大きな相続税が発生することがあります。また「誰が財産を引き継ぐか」については、遺言だけでは不十分な場合があります。
■ 2.受益者連続型信託とは
受益者連続型信託(後継ぎ遺贈型受益者連続信託)とは、信託法91条に規定された特別な信託の形式で、「受益者が亡くなるたびに、次の受益者に財産を引き継ぐ」仕組みです。
例:受益者連続型信託の設計例
第1受益者:父(生存中は父が利益を受け取る)
第2受益者:母(父が亡くなったら母が利益を受け取る)
第3受益者:長男(母が亡くなったら長男が財産を取得する)
この設計を遺言だけで行おうとすると「遺言は最後の一通しか有効ではない」という制約があり、連続した承継ルートを確定させることはできません。しかし、信託契約なら一つの契約の中でこれを実現できます。
■ 3.遺言との決定的な違い
- 遺言は「亡くなった時点での財産の行き先」しか指定できない
- 信託は「亡くなった後の財産の動き(運用・管理・次の相続先)」まで設計できる
- 信託では「二次相続以降の財産の行き先」まで一つの契約で決められる
■ 4.注意点
受益者連続型信託は「信託設定後30年を経過した後に現に存する受益者が死亡するまで、または当該受益権が消滅するまで」という期間制限があります(信託法91条)。また複雑な設計になるほど、公証役場での手続き・専門家の関与が不可欠です。
家族信託相談所では、長期視点での財産承継設計に強みを持ち、複雑な信託スキームにも対応しています。